観測班 [研究項目A04]

原始惑星系の化学的多様性とその進化
 

星間分子雲から星・惑星系形成に至る過程での化学進化を電波望遠鏡による観測で明らかにし,太陽系物質との関連を探求します(大型飽和有機分子,炭素鎖分子およびそれらの同位体組成).(1) 原始星天体の化学進化を統計的に解明することを目的に,様々な進化段階の低質量原始星に対し,高感度スペクトル線サーベイ観測をおこない,化学組成の多様性の全貌と起源を明らかにします.(2) 国際共同電波干渉計 ALMA を用いて,異なる物理的進化段階にある低質量原始星天体を 0.5”よりも高い分解能で観測し,原始星近傍の化学組成とその空間分布を明らかにします.化学組成の空間分布は構造形成過程を反映し,原始星円盤から原始惑星系円盤に至る化学進化の探求が可能となります.このような観測は感度・解像度の点からほとんど不可能でしたが,ALMA のポテンシャルを最大限に活かし,この点を突破します.

代表 山本 智 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻
分担 坂井 南美 独)理化学研究所 坂井星・惑星形成研究室
分担 渡辺 祥正 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻
分担 酒井 剛 電気通信大学 大学院情報理工学研究科
電子情報システムコース
分担 高野 秀路 日本大学工学部 総合教育 物理学教室
分担 廣田 朋也 国立天文台 水沢VLBI観測所
分担 小嶋 崇文 国立天文台 先端技術センター
分担 前澤 裕之 大阪府立大学 生命環境科学域自然科学類 物理科学課程

 

46億年前に誕生した太陽系で
分子はどのように進化し
惑星や地球に至ったのか

ビッグバン以降,様々な構造が形成された宇宙の中で,46億年前に誕生した太陽系において分子がどのように進化し,惑星や地球,そして生命に至ったのかという疑問への答えに近づくことをめざします.宇宙で最も大量に存在する元素(H, C, O, N)からなる氷および有機物に着目し,星間分子雲から原始惑星系までの分子進化の全体像を実験・理論・観測・分析など多様な手法で探求し,惑星系形成の物理過程の解明に化学的視点を加えることをめざします.
 

領域代表:
香内 晃
〒060-0819 北海道札幌市
北区北19条西8丁目 北海道大学
低温科学研究所
E-mail: kouchi [at] lowtem.hokudai.ac.jp
TEL: 011-706-5500
FAX: 011-706-7142

領域事務局:
橘 省吾
〒060-0810 北海道札幌市
北区北10条西8丁目 北海道大学
大学院理学研究院 自然史科学部門
E-mail: tachi [at] ep.sci.hokudai.ac.jp
TEL/FAX: 011-706-3586